【管理栄養士の健康コラム】Vol.62 ミネラル「セレン」とは・・・ |
今回はミネラルの「セレン」についてのお話です。
セレンは日本人にとっては通常不足することのない栄養素です。
セレンは推奨量と耐容上限量(過剰摂取による健康被害を起こすことのない最大の量)の幅が狭いことから、むしろ過剰摂取に注意が必要です。
日本人の平均的なセレンの摂取量は1日あたり100μgとされており、この値は、推奨量(30~69歳の女性で25μg)を充分超えています。
なお、耐容上限量は30~69歳の女性で230μgです。
通常の食事では過剰になることはありませんが、サプリメントなどの服用で過剰摂取となり健康被害をもたらす場合があります。
複数のミネラルを配合したサプリメントにもセレンが含まれているものもありますので、サプリメントを選ぶ際には気をつけて下さいね。
過剰症としましては、脱毛、爪の変形、胃腸障害、神経障害、呼吸不全、心筋梗塞などがあります。
セレンは微量レベルでは、体にとって必須なミネラルであり、抗酸化作用のある酵素の成分としても注目されています。
体内で過剰に発生する活性酸素は、老化やがんの原因となります。
その活性酸素を抑える働きをするのが、抗酸化作用のある酵素であり、セレンはその酵素の成分となります。
つまりセレンを摂取することで、免疫系を正常に保ち、がんを防ぐ働きが期待できます。
生活習慣病のリスクも低下させる、若返りのミネラルでもあるのです。
セレンを多く含む主な食品は、
魚介類、肉類、植物性食品です。
土壌や飼料のセレン含有量によって量は左右されます。
色々な食品をバランス良く召し上がっていただけるとよいですね。
参考文献:
おいしく健康をつくるあたらしい栄養学 吉田企世子監修 松田早苗監修 高橋書店
日本人の食事摂取基準(2010年版)
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牛肉のキャベツ巻き