【管理栄養士の健康コラム】Vol.265 体重管理と楽しい食事で認知症予防 |
認知症は介護が必要となる原因のNo.1です。
認知症は高齢になってからの病気で、若いうちは関係ないと思いがちですよね。
しかし、認知症になってしまったら、進行を遅らせることはできるかもしれませんが治すことはできません。
ですので、若いうちからの予防が重要なのです。
認知症とは、認知機能低下によって、自分では生活できなくなる病気です。
認知症のタイプはいくつかありますが、もっとも頻度が高いのはアルツハイマー病です。
また、認知機能低下はあっても、生活に大きな支障があまり見られない場合は、軽度認知機能障害(MCI)といいます。
MCIは認知症に移行するリスクが非常に高いため、進行を遅らせる予防対策が鍵となります。
「若いうちからの予防って、何をしたらいいの?」って思いますよね。私がおすすめする予防についてお伝えしたいと思います。
早めから予防しておくに越したことありません。
おすすめの認知症予防は、「体重管理」です。体重と脳って関係あるの?と疑問に思うかもしれませんね。
40~64歳の中年期に肥満だった人ほど認知症になりやすいことが、多くの研究で報告されています。中年期は生活習慣病を予防するため、肥満の人はやせるように指導される時期でもあります。適正体重を維持することは、生活習慣病だけでなく、のちの認知症も予防しているということを知っておいてください。生活習慣病は認知症のリスクになるため、若いうちは適正体重の維持が必要なのです。
まずは、毎日体重をはかることを習慣化しましょう。
65歳以上の高齢期になると、やせすぎや体重減少に注意が必要になります。加齢により筋肉量や体重が減るからです。しっかり食べて、体重を維持しましょう。
またMCIの時から、食欲や食事量の低下により低栄養が見られます。低栄養になると体重が減少します。高齢期になってからの体重減少はMCIの兆しということもありうるので注意しなければいけません。
中年期では肥満を予防
高齢期ではやせすぎを予防
つまり中年期から高齢期にかけて、適正体重を維持することが認知症予防というわけです。
適正体重を維持するために、食事は最も大切です。
栄養バランスの良い食事を1日3食とりましょう。
認知症予防には、野菜や果物、魚などがおすすめです。
副菜で野菜をしっかり食べたり、デザートに果物を添えるのもいいですね。
魚は少なくとも週2回以上は食べましょう。
そして、食事は体の栄養のためだけではありません。心の栄養にもなります。
ひとりで食事をしている高齢者は、認知機能の低下がみられる場合があります。特に女性に多いそうです。誰かと共に食事をし、おしゃべりをして楽しむことは、心の栄養となり、食欲につながり、低栄養を予防します。
ですので家族や友達と食事をする機会があれば、ぜひそうしてくださいね。
とはいえ、ひとり暮らしをしている人もいます。おしゃべりだけが心の栄養ではありません。季節や行事を感じられる食事をすることも心の栄養です。今は寒い時期ですので、温かい鍋ものやスープを食べることもほっこりしていいですね。ひとり暮らしですと簡単な食事になりがちですが、時には手が込んだ献立にしてみてください。いつもよりおいしく感じられて心が満たされます。
おいしく食べることが適正体重を維持し、認知症予防につながるわけですから、なんだか予防できそうな気がしませんか?
私がおすすめしたい認知症予防は、「体重管理」、加えて「楽しい食事」です。
若いうちから意識しておきましょう。
食事以外では、脳トレ、スポーツ、芸術も認知症予防になりますので、無理なくできそうなことはどんどん取り入れていってくださいね。
参考文献:「認知症」の世界が変わるガイドブック 工藤喬著 きずな出版
https://www.ncgg.go.jp/dementia/mci/あたまとからだを元気にするMCIハンドブック
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