【管理栄養士の健康コラム】Vol.262 目の健康には、やっぱり「人参」! |
常備野菜の、身近な「人参」。
今回は、そんな身近な人参の栄養について詳しくなってみましょう。
人参といえば、オレンジ色。
その色素成分に注目してみましょう。
オレンジ色の色素成分は、「β‐カロテン」です。
β‐カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。
ビタミンAは、皮膚や粘膜などの健康を保ち、細胞の新陳代謝を活発にする働きがあります。
不足すると目にも悪影響です。目の網膜や角膜の細胞が作られるスピードが遅くなり、しだいに老化が進んでしまいます。
また、角膜の透明度が低くなったり、表面が乾いて炎症を起こしやすくなったりします。
目の病気「白内障」のリスクも高まります。
加齢によって起こる「白内障」は、早ければ40代から発症することもあります。
白内障は、視界がぼやけたりかすんだりして、視力が低下してしまいます。進行すると日常生活に不便を感じるようになり、手術が必要な場合も出てきます。
加齢によって、体に少しずつ支障が出てきますが、目も例外ではありません。
目もいつまでも若々しくいたいものですよね。
その他にもβ‐カロテンは良い働きをしてくれます。抗酸化作用、抗がん作用も期待できます。
つまり、目だけではなく、体全体の老化防止に役立ってくれますよ。
1日に必要なβ‐カロテンは、人参中サイズ1/2本分、小サイズで1本分くらいで摂れます。
β‐カロテンは皮の下にもっとも多く含まれていますので、無農薬の人参であれば、ぜひ皮ごと調理してくださいね。
また、脂溶性ですので、油と一緒に食べると効率よく体内に吸収されます。
調理法は炒め物や揚げ物がおすすめです。
人参サラダに、油が入ったドレッシングをかけて食べるのもよいですね。
牛乳と合わせた人参ジュースや人参スープもおすすめです。牛乳の脂肪がβ‐カロテンの吸収を高めます。
人参はかつて特有の人参臭が強く、子どもの嫌いな野菜の一つだったかもしれません。
しかしながら品種改良により、今の人参は人参臭も少なく、食べやすくなりました。
人参は1年を通して手に入れられるので、いろいろな献立に使って、子どもたちにもいっぱい食べてもらいたいですね。
スマホやゲームなどで、子どもたちも目を酷使しています。
手軽に食べられる人参で目の健康を維持しましょう。
ちなみに人参の葉を手に入れる機会があれば、煮出してうがい薬にしたり、湯船に浮かべて入浴剤にしたりして利用できるそうです。
私は食べるためのきれいな人参の葉が販売されているのを見かけました。
人参の葉と干しエビでかき揚げにしてみようかと考えています。
人参にかぎらずですが、野菜は余すことなく食べることができるといいなと思う今日この頃です。
参考文献:よくわかる最新医学 目の病気の最新治療 杉田美由紀監修 主婦の友社
図解やさしくわかる目の病気 小沢忠彦監修 ナツメ社
色の野菜の栄養事典 吉田 企世子監修 株式会社エクスナレッジ
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人参サラダ