【管理栄養士の健康コラム】Vol.261 残暑を乗り切る熱中症対策 |
暑さのピークは過ぎたとはいえ、日中は暑いですよね。
まだまだ熱中症対策が必要な時期です。
引き続き、熱中症対策をしていきましょう。
若い世代で熱中症になるシチュエーションは、やはり運動中です。
熱中症死が多い運動種目は、野球、ラグビー、サッカー、剣道、陸上競技などです。野外種目だけではないので、室内だから大丈夫と思わないように気をつけてくださいね。
水分は、運動を始める30分ほど前から少しずつ補給するようにしましょう。
喉が渇いたと感じる前からの補給が大切です。
運動中は最低でも15~20分に1回、100~150ml程度(気温の低い時期は、1回50~100ml程度)補給しましょう。
1度に多量の水分を補給すると、胃腸に負担がかかり、運動のパフォーマンスにも悪影響です。こまめな水分補給を心がけてくださいね。
水分補給では間に合わない場合は、アイススラリーの活用もよいですね。アイススラリーは飲める氷のようなもので、最新の熱中症対策として取り入れている団体もあるとのことです。
私が熱中症対策の基本としてお伝えしたいのは、やはり「食事」の大切さです。
人間は1日2.5Lの水分を摂っているといわれています。
そのうち約1Lは、食事からの水分であることを知っていますか?
1日3食きちんと食べていれば、意識しなくても1Lの水分を摂ることができるのです。
そして、食事から必要な食塩も摂ることができます。
普通に食事をしていれば、食塩が足りないということはまずありません。
塩あめなどで食塩を補給しなければいけないのは、激しいスポーツや野外での力仕事の場合です。
きちんと食事をとらずに、塩あめや水分補給だけでは、熱中症の予防とはいえません。
まずは、きちんと1日3食。
夏休みに食生活のリズムが崩れてしまった人もいるかと思いますが、しっかり戻していきましょう。
次に、「①主食」「②主菜」「③副菜」で栄養バランスの良い食事。
「① ごはんやパン」「②肉や魚のおかず」「③野菜のおかず」をそろえるようにすると、
栄養バランスがととのいます。
プラスαとして水分の多い食べ物やおかずを選ぶようにしてみるのもよいですね。
夏野菜や果物は水分が多い食材です。
また、みそ汁、スープ、ゼリー、シャーベットなどもおすすめです。
主食においては、パンより、ごはんやお粥の方が水分は多いですよ。
運動をする日の朝食は、和食を推したいです。
9月、学生さんたちは体育祭の練習をする場合もあるでしょう。
練習がある日の朝食は「ごはんと具沢山の味噌汁」はいかがでしょうか。
味噌汁に豚肉や野菜を入れておけば、熱中症対策ばっちりです。
涼しくなるまでもう少しでしょうか。
きちんと食事をすることが熱中症の一番の対策になります。
暑さで寝苦しいという夜も減ってきましたし、しっかり睡眠をとり、健康な体を維持していきましょう。
参考文献:医者が教える熱中症対策 三宅 康史 (監修) 伊藤 重範 (監修) エイ出版社編集部 (編集)
暑さに打ち勝つ腸の強化書 松生恒夫著 海竜社
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