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管理栄養士の健康コラム

vol204

【管理栄養士の健康コラム】Vol.204

健康診断の気になる検査値「肝機能」

今回は肝機能の検査値についてのお話です。
肝臓は体内の多種多様な物質を分解し、合成する臓器です。
「人体の化学工場」と呼ばれています。
その重要な働きをしている肝臓に障害が起こっても、残念なことに自覚症状はほとんどありません。自覚症状から早期発見は難しいのです。
ですので、健康診断などで、定期的に今の肝臓の状態を知っておくことが大切です。

肝機能の検査においては、
・AST(GOT)
・ALT(GPT)
が基本的な検査項目です。
ASTとALTはアミノ酸合成に関わる酵素で、肝臓、心筋、骨格筋、赤血球などに存在します。
ALTにおいては、主に肝臓に存在しているので、肝細胞の障害の程度を調べるのに適しています。
肝臓が障害を受けてしまう要因としては、悪い生活習慣、アルコール、ウィルス、薬剤などいろいろありますが、なんらかの要因で障害を受けると、肝臓の肝細胞が壊れ、そこに存在していた酵素(AST、 ALT)が血液中に流出します。
ですので、血液検査をし、ASTとALTの値が基準値より高値になると、肝機能の障害が考えられるというわけです。

・γ―GT(γ―GTP)
という検査項目もあります。
これもアミノ酸合成に関わる酵素で、肝臓内の胆管の細胞で作られます。
γ―GTはアルコールによって合成促進しますので、飲酒量が多いと、この値が上昇します。
肝機能の血液検査でγ―GTだけ高値の場合はアルコールが原因の可能性が考えられます。

「お酒飲みすぎ=肝臓に悪い」というイメージがありますが、近年、非アルコール性脂肪性肝疾患が増えてきています。
お酒を飲まなくても、食べすぎやメタボリックシンドロームが原因となって、肝臓を傷めつけてしまっているのです。

肝臓をいたわる食事は、
「適正エネルギー」
つまり、食べすぎないことです。
そのためには、野菜をたっぷりと食べ、お肉やお魚などのたんぱく質は適量にしましょう。
ご飯を毎食おかわりするのではなく、お茶碗一杯を心がけましょう。
お酒を飲みすぎている人は、量を減らすことをお勧めします。
お酒を減らすだけでも、γ―GT(γ―GTP)の値が改善に向かいますよ。

食べすぎ、飲みすぎ、太りすぎは肝臓の敵です。
「これ、私のこと?」と思う人は、
年末年始、このことをちょっと意識して、気をつけてお過ごしくださいね。
そして、肝臓をいたわってあげてくださいね。










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