【管理栄養士の健康コラム】Vol.202 血糖値を下げるには |
今回は糖尿病予防の食事についてのお話です。
まずは血糖を調節するホルモンのことを知っておきましょう。
血糖の調節には、ホルモンが関わっています。
血糖を下げるホルモン、血糖を上げるホルモンが働いて、血糖の調節をしています。
血糖を上げるホルモンは、グルカゴン、カテコールアミン・・・いくつもあるのですが、
血糖を下げる方は、「インスリン」とうホルモン、たった1つだけなんです。
つまり、人間の体は、血糖を上げる方が有利に作られています。
それはなぜか?というと、
人間が地球上に誕生した時、過食よりも飢餓状態の方が身近だったからです。
生きてくためには、血糖を上げるシステムを何重にもしておく必要があったからなのです。
血糖を上げるシステムを何重にも持つ人間が、現在、過食が当たり前の生活を送っています。
たくさん食べ物を食べると血糖が上がるので、インスリンは血糖を下げようと大忙しです。
インスリンを分泌する膵臓は、たくさん働きすぎてダメージを受けます。
ダメージが続くと、血糖が高くなり、ゆくゆくは糖尿病になってしまう危険が出てきます。
ホルモンのシステムからも、過食は体にとって良くないとういうことをわかっていただけたでしょうか。
食べすぎないようにする工夫としては、まず早食いをやめることをお勧めします。
満腹感を感じるのは、食事を開始してから20分後です。
どうですか?
20分以内に食べ終わっていませんか?
満腹感を感じていないうちに食べると、食べすぎてしまいますよね。
ですので、よくかんで、ゆっくり食べるということを意識してみてください。
よくかむためには、食物繊維が良いですね。
食物繊維が豊富な食べ物は、意識しなくても、かんで食べることができます。
また、食物繊維は、糖の吸収を遅らせる働きもありますので、糖尿病予防に効果的ですよ。
ですので、食物繊維が豊富に含まれている野菜、海藻などをしっかり食べましょう。
血糖を上げてしまう食べ物は、
丼物やラーメンなどの炭水化物を多く含む一品料理と甘いお菓子、甘い飲料です。
血糖値が高い人は、これらを控えてくださいね。
果物は食物繊維を含んでいて体に良さげですが、果糖という糖が含まれていますので、大量に食べたり、空腹時にいきなり食べるのは良くないですよ。
人間は本来、過食に対応した体ではないということを念頭に、
適量の食事を心がけていただけるとよいですね。
食事に注意することで、血糖を下げることができます。
血糖値が高い人は、糖尿病にならないよう、食生活を見直してみてくださいね。
参考文献:病気がみえるvol.3糖尿病・代謝・内分泌 医療情報科学研究所編集 メディックメディア発行
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