【管理栄養士の健康コラム】Vol.198 フレイル予防 |
今回のコラムはフレイル予防についてです。
フレイルというのは、「年をとって体や心の働き、社会のつながりが弱くなった状態」「高齢者の虚弱」といった意味です。
近年、高齢化社会にともない、フレイル予防という言葉を耳にすることが多くなってきました。
日本は先進国であり、飽食の時代とも言われています。
特に働き盛りの男性は、食べすぎて太ってしまうという人も多いのではないでしょうか。
フレイルは聞いたことがないけれど、メタボは知っているといった感じですよね。
しかしながら、高齢になると、低栄養でやせすぎが問題の人も出てきます。
高齢者の低栄養は、筋肉量、筋力の低下につながり、フレイルのリスクになってしまうのです。
フレイルの要因は、低栄養だけではありません。
飲み込む力が弱まることで食事量が減ること、認知機能低下なども要因です。
また、家に引きこもりがちであったり、孤食も社会的なフレイルとなります。
今年はコロナ禍で在宅が多くなりましたので、気をつけなければいけませんね。
フレイルの先には、要介護が待っています。
けれど、フレイルは要介護の1歩手前であり、予防をすれば状態を改善できる可能性があります。これは嬉しいことですよね。
予防の基本は、「食べる」こと。
まずは3食きちんと食べましょう。
適正な量を食べられているかは、体重やBMIで確認できます。
毎日体重測定をし、体重に変化がないか、体重を維持できているかを確認しましょう。
ダイエットをしているつもりはないのに、体重がどんどん減ってしまう場合は、要注意です。
適正な量を食べられていれば、次は栄養バランスやたんぱく質が摂れるような献立を意識してみてください。
たんぱく質をしっかりとることで、筋肉量や筋力の低下を防ぐことができます。
そして「食べる」ことと一緒に、「体を動かす」こと。
猛暑がおさまれば、ウォーキングがお勧めです。
スクワットなどの筋トレやラジオ体操などを室内でするのもよいですね。
体を動かすことで、筋肉量が増えますし、食欲もわいてきます。
つまり、フレイル予防は、「食事と運動」が重要というわけです。
もしかして、自分はフレイルかも・・・という人がいましたら、食事と運動で今の状態を改善していきましょう。
フレイル予防をして、いつまでも健康で楽しく過ごしていただけるとよいですね。
参考文献:イラストで学ぶ高齢者のリハビリテーション栄養 若林秀隆著 講談社
厚生労働省ホームページ
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