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管理栄養士の健康コラム

vol177

【管理栄養士の健康コラム】Vol.177

疾病シリーズ「誤嚥性肺炎」

今回は「誤嚥性肺炎」についてと、その予防法のお話です。

肺炎は、肺の中の感染症です。肺の中にウィルスや細菌が入り込み、炎症が起こります。
肺炎の中でも「誤嚥性肺炎」は、唾液や唾液に混じった食べ物と一緒に、ウィルスや細菌が肺に流れ込むことで、肺に炎症が起こる病気です。
この誤嚥性肺炎は、高齢者に多いのが特徴です。
通常健康な場合は、何かの拍子に食べ物が気管に入ったらむせますよね。
むせることでウィルスや細菌の肺への侵入を防ぐことができます。
しかしながら高齢になると、むせても吐き出す力が弱くなったり、むせることさえできなくなってしまう場合があります。
そうなると、誤嚥してしまい、ウィルスや細菌が気管に入り、そして肺の奥まで侵入してしまうというわけです。

誤嚥性肺炎になると、風邪とよく似た症状が出ます。発熱、咳、痰が出るなどです。
症状は風邪と似ていますが、肺炎は死に至ることもある怖い病気です。
肺炎の可能性があれば、早めに医療機関で受診しましょう。
また、高齢になると肺炎の通常の症状が出ないこともあります。
食事中にむせる、のどがゴロゴロ鳴っている、唾液をうまく飲み込めない、といった症状が見られたら、気を付けてくださいね。

誤嚥性肺炎にならないためには、どうすればよいでしょうか。
まずは、口腔ケアをしっかりしましょう。
口腔ケアというのは、歯磨き、舌ブラシ、歯間ブラシなどです。
適切な口腔ケアをすることで、誤嚥性肺炎は40%減少するそうです。
口腔ケアは、虫歯予防のためだけではなく、肺炎予防にもつながるというわけです。
口腔ケアはとても重要だということを知っておいてくださいね。

その他、
飲み込む力に合った食べ物を食べるようにする。
家族など周りの人も、知識を深める。
食べてすぐに床につかない。
のどのトレーニングをする。
なども、予防につながります。

日本人の死亡原因は、がん、心疾患、脳血管疾患が上位ですが、高齢になると肺炎が上位にあがってきます。また、肺炎の7割以上が誤嚥性肺炎ということです。
つまり、高齢になると、誤嚥性肺炎の予防は非常に重要になるというわけです。
誤嚥性肺炎の危険性を知ることは、予防の第一歩となります。
ぜひ、これからも予防に努め、高齢になっても元気で過ごせるとよいですね。


参考文献:肺炎にならないためののどの鍛え方 大谷義夫監修 扶桑社
参考サイト:厚生労働省HP




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