【管理栄養士の健康コラム】Vol.176 のどの衰えに要注意! |
今回は、のどの衰えについてのお話です。
のどが衰えるということは、飲み込む力が弱まるということにつながります。
高齢になると、嚥下障害、誤嚥性肺炎など、耳にすることが多くなりますよね。
それは、加齢により舌や食道の筋肉が弱まったり、のどの感覚が鈍くなったりすることで、起こりやすい健康トラブルです。
しかしながら、高齢になって突然起こるわけではありません。
40歳も過ぎると、
お尻が垂れてきた・・・
ほうれい線が目立ってきた・・・
などなど、筋肉の衰えで、いろいろなところが垂れてきてしまいませんか。悲しい現実ですが。
のども同じで、徐々に衰え始めます。
まだまだ若いと思っていても、実は40代頃から衰え始めています。
また、のど仏が持ち上がりにくくなります。
これもまた、のど仏周辺の筋肉が弱まってしまうからです。
一度、のど仏に手の指をあてて、自分の唾液を飲み込んでみてください。
そうすると、飲み込む時に、のど仏が上に持ち上がるのがわかりますよね。
これが、持ち上がりにくくなると、飲み込みにくくなるというわけです。
のどが衰えると、唾液がのどにたまりやすくなり、食べ物が飲み込みにくいだけでなく、声がこもりやすくなります。
最近、咳払いが増えた、声がかすれてきた、声の感じが変わったなど、当てはまることが多ければ、用心してくださいね。
その他、30秒間で3回、自分の唾液を飲み込めるかどうか、自身でテストしてみましょう。できなければ、のどが衰えている可能性が高いです。
改善するためには、のどや口の周りの筋肉を鍛えるトレーニングをします。
舌を動かす体操や言葉の体操などがあります。
パタカラ発声練習を紹介しますね。
パパパ、タタタ、カカカ、ラララ、パタカラ・・・繰り返す
それほど時間はかかりませんので、ぜひパタカラ発声練習をしてみていただけるとよいですね。
誰かとおしゃべりするだけでも改善につながりますよ。
のどが衰えている場合は特に、食べ物、飲み物を飲み込む時の姿勢にも気をつけましょう。
基本は、座ってあごを上げずに食べる姿勢が良いですね。
食事を介助する場合は、同じ目線で食べさせてあげましょう。
例えば、座ってる人に、介助する人が立って食べさせると、上を向いてしまい誤嚥する可能性が高くなります。危ないですよね。
ただ、姿勢に関しては、その人によって適切な姿勢は異なります。
一番はその人が飲み込みやすい姿勢を見つけることです。
高齢になると、ずっと座っていることが困難な人もいますし、寝転がった状態でも飲み込める人もいます。
食べるということは、生きていくうえで必要不可欠なことです。
飲み込めない、食べられないとなると、それは生命の危機ですよね。
少しでも長く、口からおいしく食べることができるように、元気でいたいものですね。
参考文献:肺炎にならないためののどの鍛え方 大谷義夫監修 扶桑社
まるごと図解 摂食嚥下ケア 青山寿昭著 昭林社
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