【管理栄養士の健康コラム】Vol.145 機能性成分「野菜の色」 |
今回は野菜の色についてのお話です。
春~夏の今の季節は野菜の種類が豊富で、様々な色の野菜がずらりとお店に並んでいますね。
野菜の色というのは、目で見て食欲をそそられたり、盛りつけを楽しんだりできますよね。
色は見て楽しむものですが、野菜においてはそれだけではありません。
野菜の色は実は見る以外にも、食べることで栄養面でも大きな役割をしているのです。
「ファイトケミカル」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
植物 → ファイト 化学物質 → ケミカル
から名づけられた植物のもつ機能性成分です。
機能性成分というのは、五大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物・ミネラル・ビタミン)以外で、体のバランスをととのえ健康を維持する働きをもつ成分のことをいいます。
実は野菜の色も、機能性成分「ファイトケミカル」なのです。
野菜の色、何色がありますか?
緑、赤、紫、オレンジ、黄、白、茶、黒でしょうか。
改めて考えてみると、様々な色がありますよね。
今回は、緑色についてもう少し詳しく考えてみましょう。
緑の代表格の成分は、クロロフィルです。
生物の授業でも習ったのではないでしょうか。
緑の野菜を食べて、クロロフィルが体内に入ると、健康維持に役立つ働きがあります。
それは、強い抗酸化作用です。
抗酸化作用というのは、細胞がさびついてもろくなる(老化)を防止する作用です。
細胞がさびつくと血管ももろくなり、生活習慣病につながります。
ですので、抗酸化作用をもつクロロフィルは、若返り効果、生活習慣病予防の効果が期待できるというわけです。
緑の野菜といえば、ほうれん草、ブロッコリーやパセリなどここには書ききれないほどありますよね。
夏ですと、レタスが旬です。
ただ、どの野菜もそうなのですが、レタスひとつとってみても、クロロフィル以外にも、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカルを合わせもっています。
そこがサプリメントとは違うところですね。
レタスにおいては、β-カロテン、ビタミンA、ビタミンEを主に含んでおり、それらにも抗酸化作用があります。
サプリメントに頼らずに野菜をしっかり食べることで、偏ることなくバランス良い食事がとれると思います。
野菜それぞれの色にそれぞれの働きがあります。
ですが難しく考えずに、様々な色の野菜をバランスよく食べるとよいかと思います。
緑色だけのサラダより、彩り鮮やかなサラダの方が食欲をそそられますよね。
食欲をそそられるということは、体もきっと色々な色の栄養を求めているのでしょう。
次回は、他の野菜の色についてもお話したいと思います。
参考文献:
「あたらしい栄養学」 吉田企世子・松田早苗監修 高橋書店
「やせる!若返る!病を防ぐ!色の野菜の栄養事典」 吉田企世子監修
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