【管理栄養士の健康コラム】Vol.128 血糖値が高いと言われたら ~自己満足な食事制限していませんか?~ |
日本にどれくらい、糖尿病の人がいるのかご存知ですか?
糖尿病、糖尿病予備軍(境界型糖尿病)を合わせると、約2050万人で、これは、日本の全人口で考えると、5人に1人の割合となります。
そう考えると、すごい人数ですよね。
ですので、5人に1人は、血糖値が上がらないよう食事に気を付けなければいけない状況ということですね。
糖尿病予備軍の人も、まだ糖尿病ではないからと言って安心できませんよ。
糖尿病予備軍であっても、心血管系疾患死亡の危険因子となるのです。
予備軍こそ、今後服薬しないですむように、生活習慣、食生活をしっかりと見直していただきたいものですね。
血糖値が高いという健康診断の結果を見て、少しでも改善しようと努力している人たちはたくさんいてすばらしいことですが、肝心の努力の仕方がそもそも間違っていたら、非常にもったいないですよね。
今回は、よくある間違えについてお話しします。
ダイエットにも共通しますので、糖尿病でない方にも是非、お勧めいたします。
栄養相談の仕事をしている時、相談者に「おやつは習慣的に食べますか?」と質問することがあります。
「おやつはほとんど食べません」
血糖値が高くても、肥満であっても、こう答える人は結構多いんです。
おやつは良くないとわかっている人がほとんどなので、注意されたくないという心情が働くのかもしれませんね。
ですが、いろいろな間違った解釈があるために、おやつを食べていないと勘違いしている人も多いのです。
よくある勘違いのケースとしては、
・菓子パンはパンなので、おやつではない
・おやつは食べないが、果物はよく食べる
・野菜ジュースは野菜を食べる代わり
・運動時はスポーツ飲料が必要である
・栄養ドリンク、乳酸飲料など、体に良いとされる飲料は毎日飲んでいる
・芋類は野菜である
などでしょうか。
パンも、果物も、甘い飲料も、芋類も、血糖値を上げてしまう食べ物、飲み物です。
おやつという感覚はないかもしれませんが、おやつ代わりにこれらの食べ物を食べていれば私からするとどれも「おやつを食べている」ことになります。
以前、ケーキを食べるのを我慢して、メロンパンにしているとお話しされた方がいらっしゃいました。
実は、メロンパンはショートケーキ並みのカロリーがあるんですよ。
けれど、パンだと思うことで、ケーキよりはまだ良いような気になってしまいますよね。
パンを食べるなら、食パンやロールパンを選ぶようにしなければいけません。
野菜ジュースは、果物入りのおいしい商品が販売されていますよね。
そのような商品は、甘くておいしいだけあって、血糖値を上げてしまいます。
野菜ジュースは食物繊維が野菜を食べるよりも少ないですし、噛むということもしません。
ですので、ぐびぐび飲んでしまうのです。
ですからできるだけ野菜は野菜としてしっかり噛んで食べる方がいいです。もし野菜ジュースを飲むのであれば、果物が入っていないタイプを選ぶようにしましょう。
スポーツ飲料、栄養ドリンク、乳酸飲料なども、体のためになると習慣的に飲んでいる人がいらっしゃいます。
これらも、血糖値が気になる人にはおすすめはできません。
スポーツ飲料、栄養ドリンク、乳酸飲料はどうしても必要な時にのみ、適量を心がけましょう。
果物や芋類も、血糖値に影響しますので、適量を心がけましょう。
血糖値が上がらないように頑張って食事に気を付けていても、知らず知らずのうちにおやつを食べすぎているのでは意味がないですよね。
食事の習慣を変えるというのは、そう簡単にできることではありません。
そこを頑張って努力するのですから、正しい知識を持って、体の為になる努力をしていただけるとよいですね。
参考文献:
2012年国民健康・栄養調査(厚生労働省)
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