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管理栄養士の健康コラム

vol120

【管理栄養士の健康コラム】Vol.120

ジャムはどうして腐りにくいの?

この春、私は何度もイチゴジャムを作っています。
やはり、手作りは、市販のジャムよりおいしく感じられます。
ジャムにすると、おいしさはもちろんのこと、生のままのイチゴよりも長持ちするという利点があります。
すぐに食べきれない果物は、ジャムにしておくといいですね。
今回は、なぜジャムにすると長持ちするのか?についてお話します。

長持ちする理由、それは砂糖の力に隠されています!

▼ イチゴジャムの材料 ▼
・イチゴ 2パックぐらい
・砂糖 200g
・レモン果汁 少々

イチゴジャムは、上記の材料を一緒に弱火で煮て作ります。
煮ると、イチゴはしんなりしてきて、砂糖はイチゴの水分で溶けていきます。
これは見方を変えると、砂糖にイチゴの中の水分を奪い取る力があるということを示しています。
砂糖がイチゴの中の水分を抱え込むというイメージでしょうか。

腐るというのは、腐敗菌という菌が増えることで起こります。
腐敗菌は水が大好きで、水が多いと元気になり、逆に少ないと弱って活動できなくなります。
イチゴジャムにおいては、砂糖と煮ることでイチゴの中の水分が減ります。
腐敗菌の大好きな水が減ることで腐敗菌の活動は弱まり、イチゴが腐りにくい状態になるのです。

また、砂糖濃度が65%以上になると、大部分の腐敗菌の増殖が抑えられます。
ですので、砂糖を多く使ったお菓子やお料理は、腐敗菌が増えにくく、長持ちするというわけです。

砂糖には、腐敗菌の大好きな水を抱え込み腐敗菌を弱らせる力と、65%以上の糖度で腐敗菌の増殖を抑える力があります。
それらの力によって、ジャムは腐りにくいのです。

ただ、ジャムを手作りする際に、一つ注意しなければいけないことがあります。
出来上がったジャムを瓶などの容器に入れることになりますが、この際、容器を清潔にしておくことが重要です。
事前に煮沸消毒するなどして、容器に菌が付着していることがないように気をつけましょう。
長持ちさせるためには、どれだけ菌を入れないか、そして増やさないかにかかっていますよ。

砂糖の力を利用することは、昔からの素晴らしい生活の知恵ですよね。
皆様も是非、イチゴに限らず、いろいろなジャム作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。

参考文献:
「塩と砂糖と食品保存の科学」 食品保存と生活研究会編著 B&Tブックス日刊工業新聞社
「まりか先生のおいしい実験キッチン」 内田麻里香監修 主婦と生活社


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