【管理栄養士の健康コラム】Vol.113 介護予防 ~低栄養状態を予防するお食事~ |
年をとると、食が細くなり、知らず知らずのうちに低栄養状態を招いてしまうことがあります。
65歳以上の高齢期では、低栄養状態は寝たきりなどの要介護状態につながることもありますので注意が必要です。
最近、体重が減っていませんか?
BMIという体格指数があります。それが18.5未満である場合は気をつけてくださいね。
今回は、低栄養状態を予防するための食事についてお話しします。
前回もお話しましたが、一番大切なことは「楽しく食べる」ということです。
食にまつわる楽しみは、人によって様々です。
誰かと一緒に食べること、好物を食べること、旬の食材を買いに行くことなど、自分にとって楽しいと思えることを見つけて、食事を楽しいものにしていただけるとよいですね。
低栄養状態を予防するための食事の基本は、「炭水化物」と「たんぱく質」をしっかり摂ることです。
ご飯、パン、麺類などの炭水化物は、エネルギーの補給源となります。
肉・魚・大豆製品・卵などのたんぱく質は、筋肉の素となります。
ですので、炭水化物とたんぱく質をしっかり摂り、活動力をアップさせましょう。
体を動かせば、また食欲がわき、食事量が増えます。
さらに、免疫力が高まり病気になりにくくなり、健康を維持できます。
一食でたくさん食べる必要はありません。
一度の食事で吸収できる栄養には限度がありますので、腹7、8分目で十分です。
注意していただきたいのは、食事回数を減らさないことです。
また、おやつも補食と考えましょう。
牛乳やヨーグルトなどの乳製品は、高エネルギー高たんぱく質です。
少し栄養不足だと感じられる場合、おやつには乳製品がおすすめです。
バナナなどの果物もエネルギー補給にいいですね
ビタミン、ミネラルや食物繊維も、しっかり摂りましょう。
特に高齢者は鉄欠乏性貧血の心配があります。
ですので、赤身肉やあさりなど鉄の多い食品を選ぶことも意識してください。
また、水分をこまめに補給しましょう。
高齢になると、のどの渇きを感じにくくなり、気づかないうちに脱水症状に陥ってしまうことがあります。
ですので、夏場はもちろん、冬場も意識的に水分補給を心がけてくださいね。
1日に必要な水分量は、食事から約1リットル、飲み物から約1リットルですので、合計約2リットルです。
2リットルの大きいペットボトルをイメージしていただけるとよいですね。
飲み物からは1リットルですので、湯のみですと7~10杯程度でしょうか。
こまめに水分補給が必要なことがわかりますよね。
以上のことを参考にして、高齢期における低栄養状態を防いでいただけるよいですね。
「いつまでも健康で長生き」を応援しております。
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