【管理栄養士の健康コラム】Vol.108 赤ちゃんのお口の発達 Part1 |
今回のコラムは、赤ちゃんが大人と同じように食べられるようになるまでのお口の発達についてのお話です。
赤ちゃんが母乳を飲むことは生まれながらにしてできますが、「かむ」という口の動きは生まれてから学習しなければなりません。
ですので、母乳から食べ物を食べるようになるまでの時期、つまり離乳食の時期って、とっても大切なんですよ。
月齢では、生後5~6ヶ月の時期に離乳食を始めます。
最初から大人と同じものが食べられないため、お粥などのやわらかいものから始めます。
まだ歯ははえそろっていませんから、歯茎でかむ練習をするようなイメージですね。
赤ちゃんは、大人のような知識や経験がないので、本能的といいましょうか、五感に頼る部分が大きいです。
第一段階、始めに食べ物を認識することです。
赤ちゃんは、これは食べられるのだろうか?と視覚・嗅覚・聴覚で見極めます。
例えば、湯気の出ているお茶を見たら、飲まなくても熱いとわかりますよね。
台所でお鍋がグツグツしている音や包丁のトントンという音、匂いなどからも情報を得ることができます。
私たちは食べる、飲むという経験を積み重ねることで、こういったことを認識できるようになります。
赤ちゃんは、固形物より液体を口に入れることを怖がるのだというお話を最近聞きました。
なぜだかわかりますか?
液体を一度口にいれると、もし毒が入っていた場合に全て吐き出すことはできないからです。
固形物だと吐き出しやすいですよね。
赤ちゃんに備わっている本能、そういった危機管理意識から、初めての飲み物や信頼できる家族以外の人からもらった飲み物は、嫌がったりするとのことです。
わが子も小さかった頃、お友達宅で出されたジュースを飲まないことがあり、不思議に思ったことがありました。
あれはもしかして危機管理意識からだったのだろうかと、今更ながらに、ふと思いました。
また、液体を飲むということは、赤ちゃんにとっては難しいことです。
大人は、大きな口をあけてビールを流し込むようにゴクゴク飲むことができます。
冷たいジュースでも、おいしそうにゴクゴク飲みますよね。
また、熱いお茶を少しずつ空気と一緒にすすることもできます。
しかしながら、赤ちゃんはまだそういう飲み方はできません。
スパウトやストローで飲む練習をしていき、コップでも、まずは両唇の隙間から吸い込むように飲みます。
コップで飲ませてあげる時は、赤ちゃんの下唇にコップの縁をのせ、少しずつ吸えるようにコップを傾けてあげてくださいね。
食べ物を認識し、口に摂り込み、そして次は、「かむ」という段階に移ります。
次回はお口の発達において、「かむ」段階からお話しさせていただきますね。
参考文献:
「じょうずに食べる 食べさせる」 山崎祥子著 芽ばえ社
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