【管理栄養士の健康コラム】Vol.106 アミノ酸の働き 筋力アップ効果あり! |
今回はたんぱく質の構成成分である「アミノ酸」についてのお話です。
たんぱく質については、健康コラム 「Vol.105 栄養素について知ろう「たんぱく質」について」を、よろしければご覧ください。
たんぱく質はアミノ酸によって構成されていますが、たんぱく質を構成しているアミノ酸はわずか20種類です。
アミノ酸はそれぞれに固有の働きがあり、構成するアミノ酸の種類や配列でたんぱく質の働きも違ってきます。
必須アミノ酸という言葉をご存知でしょうか?
20種類のアミノ酸の中でも、体内では合成できず、食事から摂る必要のあるアミノ酸があり、
それを必須アミノ酸もしくは不可欠アミノ酸といいます。
必須アミノ酸は、9種類で
イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、
トリプトファン、バリン、ヒスチジン
です。
これら必須アミノ酸をバランスよく含んでいる食品は、質の良いたんぱく質源といえます。
たとえば、牛乳、卵、牛肉・豚肉・鶏肉などの肉類、アジやサケなどの魚類などがそうですね。
アミノ酸には、固有の働きがあると説明しましたが、スポーツの秋ということで、今回は筋力アップの働きのあるアミノ酸についてご紹介しますね。
筋力アップに関わるアミノ酸は、バリン・ロイシン・イソロイシンです。
運動によって筋肉に負荷を与えると、筋繊維が損傷や炎症をおこし、その後に筋繊維が修復されます。修復される時に、以前よりも強い筋肉を作るために働いてくれるのが、バリン・ロイシン・イソロイシンなのです。
これらのアミノ酸を含む食品は、牛肉・レバー・鶏肉・牛乳・チーズなどです。
また筋肉痛や疲労を軽減してくれるアミノ酸は、アルギニンです。
ですので、しっかりアルギニンを摂っておくと、疲労が軽減されるかもしれませんね。
ちなみにアルギニンは冷え性も改善してくれますよ。
アルギニンを多く含む食品は、牛肉・鶏肉・牛乳・エビ・大豆などです。
ちなみに、バリン・ロイシン・イソロイシンは、高齢者の筋力維持にも効果が期待できます。
しかしながら、これらのアミノ酸を摂るだけでは、筋肉はつきません。
食事に加え、運動と睡眠休養が重要です。
ぜひ、アミノ酸の力を筋力アップに役立てていただけるとよいですね。
参考文献:
「7訂食品成分表2016資料編」 香川芳子監修 女子栄養大学出版部
「栄養の基本がわかる図解事典」 中村丁次監修 成美堂出版
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