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管理栄養士の健康コラム

vol98

【管理栄養士の健康コラム】Vol.98

栄養素について知ろう「亜鉛」について

今回は、ミネラルの「亜鉛」についてのお話です。

亜鉛は、新陳代謝に欠かせない栄養素です。
後で理由は説明しますが、現代の人々にとっては、不足しがちな栄養素のひとつです。
不足してしまうと、味覚障害、成長障害、免疫力低下、生殖機能低下など様々な不調が引き起こされます。

亜鉛を多く含む食品は、海のカキがダントツです。
その他、牛モモ肉・うなぎ・ししゃも・卵・納豆・ごまなども良いですね。
15~69歳における1日の摂取基準(推奨量)は、
男性 10mg
女性 8mg
とあり、
カキであれば60~80g程度食べると、1日分の亜鉛をとることができます。

現代の人々にとって不足しがちである理由ですが、それには食品添加物が関係しています。
食品添加物は体内の亜鉛を吸着するため、せっかく摂取した亜鉛が働くことができなくなってしまうのです。
インスタント食品やスナック菓子などには、たくさんの食品添加物が入っています。

また、お酒を飲む人も要注意です。
アルコールを代謝する際、体内の亜鉛をたくさん消費するからです。
お酒を飲む時は、亜鉛を多く含む食べ物をしっかり摂るように心がけてくださいね。

さらに、服薬している薬の副作用が原因で亜鉛が不足することもあります。
高齢者においては、一番多い原因かもしれません。
薬の副作用の場合も食品添加物と同様に、体内の亜鉛を取り込んでしまい、亜鉛が働けなくなることが原因となります。

高齢になると嗅覚が衰えてきます。その上、亜鉛不足で味覚にまで障害を受けると、食べ物のおいしさが、ますますわからなくなりますよね。
食べ物がおいしくなくなれば食欲が低下し、栄養不足であったり体重が減ることにつながります。
そうなると抵抗力も低下し、病気にもかかりやすくなってしまいます。
ですので、おいしく食事をすることは、とっても重要なことなんです。
亜鉛をしっかり摂って、おいしく食事をし、ずっと健康でいたいものですね。

参考文献:
 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」菱田明 佐々木敏監修 第一出版
 「おいしく味わう体のしくみ 子供に豊かな味覚を」 山本隆著 芽ばえ社

関連コラム:
 Vol.50 亜鉛について ~食品添加物が亜鉛吸収を妨げる?!~


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