【管理栄養士の健康コラム】Vol.82 麹(こうじ)の力 |
今回は、麹菌についてのお話です。
麹菌と聞いても、ピンとこないかもしれませんが、とっても身近なカビの1種です。
なぜとっても身近なのかというと、この麹菌、和食を作るには欠かせないからです。
和食に使う調味料である味噌、醤油、みりん、酒、酢は、麹菌を使って作られています。
昨今、米麹を使って作る「塩麹」も調味料として定着していますね。
このように改めて考えてみると、麹菌は私たちの食事にとって不可欠な存在ということがわかります。
菌というと悪いイメージがありますが、麹菌は「体に良い」ということは、ご存知だと思います。
そして、麹菌は、菌の中でも酵素の生産力がずばぬけて高い!というすばらしい菌なのです。
菌から生産された酵素がどのような働きをするかというと、食材をやわらかくして消化吸収を良くしてくれたり、食材の旨みを高めたりします。
さらに、発酵の過程でビタミン類を作り出し、栄養価も高めます。
また発酵食品全体にいえることですが、腸内の細菌バランスを整えて、善玉菌優勢の状態にしてくれます。
前回のコラム Vol.81病気やアレルギーから体を守ろう でもお話ししましたが、腸が健康になることで、免疫力もアップしますよ。
気をつけなければならない点として、麹菌がたくさん生産してくれるこの酵素は、60℃以上で加熱することで不活性化してしまうことです。
酵素の力を最大限に利用したい場合は、生の状態で食べると良いですね。
ですので、漬物やドレッシング、たれなど、加熱しない調理方法でめしあがってみるのはいかがでしょうか。
また、お肉やお魚を塩麹や味噌などで漬け込む下準備をすることでやわらかくなりますよ。
毎日継続して麹菌をとることで、腸内の細菌バランスが良くなります。
ただし、食べ過ぎると、ものにもよりますが塩分過多になってしまう場合がありますので、ご注意ください。
私たちの食生活は、自然に麹菌を取り入れていますよね。
これからも麹の力で元気に過ごしたいものですね。
参考文献:
麹の「生きた力」を引き出す本 伏木暢顕・小石原はるか著 青春出版社
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