【管理栄養士の健康コラム】Vol.74 栄養素について知ろう「脂質」とは |
「脂質」と聞くと、「脂肪」や「中性脂肪」をイメージしがちではないでしょうか。
そのために、脂質は悪者?!と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、脂質は貴重なエネルギー源であり、また体の細胞膜の主要な構成成分でもあります。
さらに脂溶性ビタミンやカロテノイドの吸収を助けるといった働きをする、大切な栄養素なのです。
ですので、バランス良く食事をし、脂質を適度に摂取することは必要なことなのです。
栄養学的に、脂質とは
・脂肪酸
・中性脂肪
・リン脂質
・糖脂質
・ステロール類(コレステロールを含む)
などのことを指し、それぞれに重要な働きがあります。
脂質が悪者と思われがちな理由として、脂質が生活習慣病と関連していることが挙げられるのではないでしょうか。
事実、脂質を摂りすぎると生活習慣病の発症につながってしまいます。
では、適度な摂取量とはいったいどのくらいなのでしょうか。
「日本人の食事摂取基準」では成人男女共に、20~30%エネルギー(エネルギー比率)が目標量として設定されています。
例えば、1日2000kcal摂取する人が、脂質のエネルギー比率25%(中央値)を目標量と設定すると、1日の目標とする脂質量は500kcalとなります。
500kcalは、油脂量で約50g程度になります。
もちろんこれはお料理の際に使う油だけでなく、お肉やお魚など食材自体に含まれる脂質も合わせての量ですので、ご注意ください。
昔に比べると食生活は欧米化し、脂質の摂取量が増えていることは確かです。
現時点で肥満であったり、健康診断において脂質異常がみられたならば、脂質の摂取量を減らす必要があるでしょう。
そのような場合は、脂身の多いお肉や揚げ物を控え、野菜をしっかり召し上がっていただけるとよいですね。
参考文献:
「栄養学総論」 林淳三・高橋徹三共著 建帛社
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」 厚生労働省
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