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【管理栄養士の健康コラム】Vol.267 ローリングストックをしよう |
今回は災害時の備えとして、「ローリングストック」についてのお話です。
能登半島地震、台風や大雨による災害、記憶に新しいものだけでも災害は多発しています。
被災された方はもちろんのこと、被災していなくても大きな不安にかられるのが、災害の怖いところです。
災害時に備えて、「今できることを見つける」
そうすることで、不安を減らしていきましょう。
そこで、今できることの1つとして、「ローリングストック」をしてみませんか?
ローリングストックとは、食品を多めに買い置き、普段使いをしながら食品をストックする方法です。
備蓄する⇒食べる⇒買い足す
を繰り返し、常に一定量の食品を備蓄しておきます。
できれば、家族の人数×7日分の一定量を保ちましょう。
食品をロスしないためには、賞味期限・消費期限に注意しておくことが必要です。期限を確認しやすいように、食品を整理整頓しておいてくださいね。
また、普段食べているものや好きな食品を選ぶことも大切です。そうすることで、うまくローリングストックでき、食品ロスも減らすことができます。
ではどういった食品を備蓄すればよいでしょうか。
まずは水。災害時、断水になる可能性があるからです。
大人1人あたり:ペットボトル2L×12本
用意しましょう。家族分となると何本?!と気が遠くなりますが、水があるとかなり不安は解消できます。
昨年は台風接近時にペットボトルの水が売り切れて買えないという騒動がありましたよね。そのような事態は今後も起こり得ることですので、慌てないためにも日ごろから備蓄しておきましょう。
次に備蓄してほしい食品です。
5つに分類すると栄養バランスが良くなりますよ。
①主食:米・カップ麺・乾麺・パックご飯・レトルトおかゆ・アルファ米・パン缶など
②魚や肉、卵などのおかず:サバ缶・ツナ缶・焼き鳥缶・牛丼の素・うずらの卵缶など
③野菜のおかず:野菜ジュース・野菜スープ・コーン缶・トマト水煮缶・乾燥野菜など
④おやつ:フルーツ缶・クッキー・チョコレート・飴・あずき缶・ジャムなど
⑤飲み物:日本茶・スポーツ飲料・紅茶など もちろん水も
分類分けにはしていませんが、レトルトカレーやパスタソースなども備蓄によいですね。
常温保存できる牛乳もおすすめです。
そして災害時は体調不良や食欲がない場合も多くなります。そういう場合に備えて、レトルトのおかゆやスポーツ飲料、ゼリー飲料などがあると安心かと思います。
食品ではありませんが、食事をするために必要なカセットコンロとボンベも必須です。
カセットボンベは
大人1人あたり:6本
あるとよいでしょう。
足りていないご家庭は、少しずつ買い足していきましょう。
そして1つ知っておいてほしいことなのですが、被災した場合、トイレの問題があります。断水すると水洗トイレが使えなくなるからです。
トイレが使えないと起こる問題は、食事面にも影響します。
トイレを我慢するために、水分補給を控えてしまうことです。水分をとらないことは体に悪影響で、体調不良を引き起こしてしまいます。脱水、便秘、心筋梗塞、脳梗塞、エコノミークラス症候群などが考えられます。
また、トイレは不衛生な状態となり、その上、手洗いする水もないとなると、食中毒のリスクも高まってしまいます。万が一、被災時に体調不良を感じたら、調理には携わらないようにしましょう。
このトイレ問題を回避するためには、携帯トイレ、簡易トイレなどを各家庭で準備しておくとよいですね。ペットのトイレシートも代用できますよ。
今できそうなことは見つかりましたか?
食品ロスにならないようにローリングストックができれば、大きくは家計にひびかないのではないでしょうか。
災害時の不安を少しずつ減らすために、今からできることを始めてみましょう。
参考文献:災害食ハンドブック 奥田和子著 日本食糧新聞社
災害食の事典 日本災害食学会監修 朝倉書店
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