【管理栄養士の健康コラム】Vol.240 喋って、笑って、何でも食べる子どもに育てよう |
喋って、笑って、何でも食べる子どもに育てよう
食べものの好き嫌いはありますか?
私は管理栄養士として栄養相談を受けることがありますが、
子どもの食においては、「好き嫌いをなくすにはどうしたらいいですか」という悩みをよく聞きます。
今回は、子どもの好き嫌いの悩み解消のお手伝いができればと思い、コラムを書きますね。
子どもの好き嫌いは、2歳くらいから始まるようです。
2歳までの期間も、食べなかったり吐き出したりすることがあるかと思います。
それは、人間の身を守る本能が働いているとされており、
例えば、「苦いもの」=毒
「酸っぱいもの」=腐っているもの
といった感じで、嫌う傾向にあるようです。
そして、2歳くらいからは、いろいろな経験や情報から、嫌いな食べ物が出てきます。
嫌いな食べ物には、味、匂い、食感などの不快な経験、その時の不快な気持ちなどが影響しています。
私自身の経験としては、保育園での給食が嫌で廊下を走って逃げた記憶が大人になっても残っています。その時はハンバーグだったと思いますが、今でもあの時の味とよく似たレトルトっぽいハンバーグはおいしいと思えないのです。
では、子どもの嫌いな食べものを減らすにはどうしたらよいのでしょうか。
それは、食事に関わる不快な経験や気持ちをなくしていけばよいと思います。
・無理強いをしないようにする。
・気長に待つ。けど、あきらめない。
・一緒に食べる。
子どもに嫌いな食べものがあっても、無理強いする必要はないと思います。
無理強いすることで、つらい記憶を植え付けてしまう可能性もあります。
子どもはふと食べてみようと思ったりするので、食卓には出し続けるようにしましょう。
つまり、あきらめないことが大切です。
食べてみようとチャレンジをする気持ちは大切にしたいですよね。
世の中には、自分の知らないおいしい食べ物がたくさんあって、もっと楽しめるのかもしれないのですから。
好きな食べものや食べてみたい食べものが多くなれば、食べることはもっと楽しくなると思います。
そして、家族と一緒に、仲間と一緒に、友人と一緒に食べてくださいね。
子どもにとっては、家族と一緒に食べることが、食習慣の基本となります。
一緒に食べて、話をして、聞いて、笑ったりすることは、立派な食育です。
そういう楽しい経験が、嫌いな食べものを減らすことにもつながります。
残念ながら、コロナ禍で学校給食が黙食となりました。
それによって家庭での食事の場がより重要になっているかもしれません。
家庭では、鍋料理やホットプレートを使った料理なども取り入れて、ぜひ楽しい食事を経験させてあげてください。
大人になったからといって、親になったからといって、理想的な食習慣を皆が身につけているわけではありません。
ですが、大人は今までの経験から、子どもの少し未来を予測することはできます。
好きな食べものや食べてみたい食べものが多い方がいい、
食事は1日3回もあるのだから、食事の度においしい!と感じられる方がいい、
と私は考えます。
なので、大人は、楽しい食事ができるよう子どもたちにアドバイスしてあげてください。
楽しく食べて、嫌いな食べものもどんどん減らしていきましょう。
参考文献:0~5歳子どもの味覚の育て方 とけいじ千絵著 日東書院
食卓で育む伸び力 食育ずかん編・著 朝日学生新聞社
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