【管理栄養士の健康コラム】Vol.229 高齢期のお口の健康 |
「オーラルフレイル」という言葉を知っていますか?
「お口の中の虚弱」という意味の言葉です。
高齢になるとフレイル予防が必要になってきますが、
特にオーラルフレイルを予防することも大切です。
オーラルフレイルの予防がいかに大切か、知っておきましょう。
食事をしていて食べこぼす
飲み込む時にむせる
喋ると滑舌が悪い
などといったことを感じ始めたら、オーラルフレイルの兆しかもしれません。
高齢になると、お口の機能も衰えてきます。
オーラルフレイルにより、食事が面倒になり、栄養に偏りが出ることもあります。
また、人と会話することが面倒になり、家にひきこもったりすることもあります。
そうなると、お口だけでなく体全体の機能も衰えてしまい、悪い連鎖を引き起こしてしまうのです。
そうならないためにどうしたら良いのでしょうか。
なんといっても、「食べる楽しみ」を失わないこと!
自分の歯でおいしくごはんを食べられている人は、高齢になっても活動的です。
自分の歯で食べることができる期間を少しでも長くしていくように心がけましょう。
そのためには、歯磨きなどの日常のケアが必要です。
子どもの時から、歯磨きの習慣はしっかりつけていくとよいですね。
オーラルフレイルなんて若いうちは関係ないと思いがちですが、子どもの時からの歯磨き習慣や食習慣が影響しています。
高齢になった時に差が出てきますので、習慣は実に重要ですね。
すでにオーラルフレイルが進行している人は、噛みにくい食べ物や飲み込みにくい食べ物は、無理して食べないようにしましょう。
かたい食べ物が難しい場合は、やわらかい食材を選んだり、やわらかくなるまで煮たりして食べやすく調理します。
汁物でむせる場合は、水溶き片栗粉でとろみをつけると飲み込みやすくなりますよ。
少し工夫すると、食べやすくなりますので、食事の量が減らないようにしてくださいね。
できれば、家族や友達と一緒に食事をし、楽しい時間を過ごすことができるとよいですね。
食事や会話によって、お口の筋肉を維持することができます。
つまりオーラルフレイルの進行をおさえることができるのです。
コロナ禍で制限が多い生活が続いていますが、いっぱい喋って、いっぱい笑って、オーラルフレイルを予防したいものですね。
今年もよろしくお願いします。
カロレピと共に、皆さまが健康で元気に過ごせますように。
参考文献:「噛む」からはじめる「食育の新常識」高齢者&介護ケア編 中野智子著 徳間書店
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