【管理栄養士の健康コラム】Vol.221 女性にとって大切な栄養素 |
今回は女性向けの内容となってしまいますが、女性に摂ってほしい栄養素のお話です。
今年、「妊産婦のための食生活指針」が改定され、「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」になりました。
文字通り、妊娠してからではなく、妊娠前から食生活に気をつけようという内容となっています。
若い世代のやせが増加していることも背景にあります。
やせや肥満の判定に用いられるBMIという体格指数が18.5未満の場合、やせと判定します。
BMIは{体重(kg)}÷{身長(m)の2乗}で求めることができます。
厚生労働省 平成29年国民健康栄養調査よると
BMI 18.5未満が
昭和48年(1973年) 平成29年(2017年)
20~29歳 15.1% ➡ 21.7%
30~39歳 7.2% ➡ 13.4%
となっており、やせが増加していることがわかります。
やせは、無月経や月経不順の原因にもなりますし、
早産や低出生体重などの周産期異常のリスクも上がってしまいます。
やせすぎは、体に悪影響だということを知っておいてくださいね。
食生活で気をつけることは、
「主食」を中心にエネルギーをしっかり摂ることです。
つまり、ごはん、パン、麺類などを毎食食べること。
エネルギーをしっかり摂ることは、生きる基本です。
また、「主菜」でたんぱく質を十分に摂りましょう。
魚、肉、卵、大豆製品などを食べるとよいですね。
たんぱく質は、成長期の子どもだけでなく、高齢になっても、とても重要な栄養素です。
その他、不足しがちな栄養素を、意識して摂るようにしましょう。
葉酸、鉄、カルシウムは、不足しがちな栄養素です。
葉酸においては、妊娠の可能性のある女性や妊婦はしっかり摂るようにと指導される栄養素ですね。
なぜなら、胎児の発育や造血に不可欠だからです。
妊娠を考えていない方は関係ないと思われるかもしれませんが、葉酸は、妊娠関係なく必要な栄養素です。
細胞新生にも働きます。
例えば、肌の細胞新生に注目してみましょう。
肌の細胞は細胞分裂を行い再生します。その細胞分裂の際に葉酸が必要となります。
肌の細胞分裂がスムーズに行われれば、シミやシワの予防につながります。
美肌効果が期待できるというわけですね。
また、動脈硬化を予防する効果もあることがわかってきています。
生活習慣病の予防にもつながりますので、どの年齢でも、葉酸は摂っておかなければいけない栄養素なのです。
葉酸は、ほうれん草やブロッコリーなどの野菜や豆類などに多く含まれています。
納豆は手軽に食べられるので、いつもの食事にプラスしてもよいですね。
「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」は厚生労働省のホームページからも確認することができます。
今の食生活に足りないことはないか、改めて考えてみるのはいかがでしょういか。
免疫力を上げて、健康で過ごすためにも、食生活をととのえましょう。
参考ホームページ:厚生労働省のホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17795.html
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