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管理栄養士の健康コラム

vol155

【管理栄養士の健康コラム】Vol.155

栄養素について知ろう「リン」について

今回は、ミネラルの一つである「リン」についてのお話です。
他の栄養素に比べると「リン」は馴染みのない栄養素かもしれませんね。
とはいえ、どの栄養素も必要不可欠。「リン」も大切な働きをしていますよ。

リンの働きの一つは、骨や歯の材料になることです。
リンはカルシウムと結合して、骨格を形成します。
常にカルシウムと一定のバランスを保ち存在していますので、リンとカルシウムは深い関係にあります。

その他の働きは、細胞膜の材料となること、またエネルギー代謝にも関与しています。
馴染みのない栄養素ではありますが、実はなかなか大切な働きをしていますよね。

リンは、肉、魚、乳製品、穀類など、幅広い食品に含まれています。
普通に食事をしている限り、不足することはないので安心ですね。
ただ、リンは食品添加物として使用されることが多いため、加工食品にはリンが多く含まれている可能性があります。
ですので、加工食品を頻繁に食べる食生活を送っていると、リンの過剰摂取という心配がありえます。

もし、リンを摂りすぎてしまったらどうなるのでしょうか。
その時は、腎臓がいっぱい働いて、ろ過して、尿として排泄します。
不要なリンを体の外に出して、必要な分だけ残してくれるというわけですね。
腎臓ってすごいですね。
しかしながら、もしも腎臓が機能低下していたり、病気だったりすると・・・
尿として排泄されず、体内にどんどんたまってしまいます。
そうなると、骨が弱くなったり、血管に石灰が沈着することで、動脈硬化を促進したりと、体に弊害をもたらすのです。

腎機能が正常であれば、リンの体内の濃度は正常範囲に保たれます。
ですがどうしても、加齢により腎機能は低下してしまいます。
ですので、腎機能低下が進行しないように、気をつけなければいけません。
日頃から、減塩に取り組み、なるべく腎臓に負担をかけないようにしたいですね。

リンが私たちの体にどのように関わっているのか、わかっていただけたでしょうか。
加工食品はできるだけ控えるようにし、旬の食材を使ってお料理していただけるとよいですね。
そして、腎臓をいたわってあげましょう。

参考文献:
 「あたらしい栄養学」吉田企世子・松田早苗監修 高橋書店
 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」菱田明 佐々木敏監修 第一出版


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