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管理栄養士の健康コラム

vol154

【管理栄養士の健康コラム】Vol.154

疾病シリーズ「腎臓病」③ ~腎臓病の進行をおさえる食事~

前回は腎臓の病気についてお話ししました。
慢性腎臓病(CKD)は、放置すると非常に危険な病気です。
透析治療となると、自身はもちろん、周りの人にとっても非常に大きな負担となります。
もし、腎機能が低下していると言われたならば、できるだけ早く生活習慣の改善をするべきです。
今回は、食生活においてどのようなことに気を付けたら良いのかお話しします。

慢性腎臓病(CKD)の進行をおさえる食事のポイントは、
食塩制限
たんぱく質制限
カリウム制限
リン制限
です。

いろいろな制限がある上に、適正なエネルギーも確保しなければいけないので、結構、難しいのです。
また、慢性腎臓病(CKD)の進行具合によって、制限するものも違ってきますので、ご注意くださいね。

腎機能が低下していることがわかれば、とりあえずまずは減塩に取り組みましょう。
食塩を摂りすぎることで、腎臓に負担がかかります。
負担がかかると、腎臓が疲れてしまい、元気に働けなくなるのです。
腎機能に関してだけに言うのではなく、減塩は食塩摂取過多の傾向にある日本人全体の課題でもあります。
腎機能が低下している場合、1日に摂る食塩相当量は、6g未満が望ましいとされています。
しかしながら、相当工夫しないことには、この6g未満は達成できません。
6g未満の減塩は難しいとしても、まずは減塩を意識しないかぎり、何も改善できませんよね。
男性は8g未満、女性は7g未満を目標にして、減塩の必要性を理解し、取り組んでいただけるとよいですね。

慢性腎臓病(CKD)が進行すると、さらにたんぱく質の制限の指示が出ます。
カリウム、リンの制限も必要になります。
たんぱく質を減らすことで低栄養となる危険性もありますので、必ず医師の指示に従って、制限してくださいね。
低栄養とならないために、良質のたんぱく質を適量摂取し、十分なエネルギーを確保することが重要ですが、たんぱく質を制限しつつも、十分なエネルギーを確保することは難しいと思います。
一般の食材では苦労することもありますので、治療用特殊食品(低たんぱく食品)といった食品を利用することも一つの方法ですね。

カリウム・リンに関しては、たんぱく質を減らすだけでも、減ります。
まずはたんぱく質制限を優先的に取り組むと良いでしょう。
また、カリウムを減らすために、「野菜などを茹でこぼしすると良いですよ」と指導を受けた人もいるかもしれません。
茹でこぼすことで確かにカリウムは減りますが、15分くらい茹でないと効果はないそうです。
なかなか、毎回15分も茹でるのは大変ですよね・・・。
茹でこぼししたから食べても大丈夫と勘違いしてしまうのも危険だと思います。
ですので、食品のカリウム量をよく把握して、初めからカリウムの多い食品は控えるようにする等、工夫すると良いですね。

難しいことをするよりも、継続できそうなことから始めるのが大切です。
何かできそうなことを見つけて、一つずつ取り組んでくださいね。

参考文献:
 「ステージ別 腎臓病の治療とケア」 富野康日己著 法研
 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」菱田明 佐々木敏監修 第一出版


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