【管理栄養士の健康コラム】Vol.142 行事食シリーズ 「端午の節句」 |
5月間近となり、半そでがちょうど良いくらいの暑い日もありますね。
5月5日は、「こどもの日」ですね。
本来は端午の節句といわれ、厄払いをして家の繁栄を願う日でしたが、後に男の子の成長を願う日となりました。
そして今では「こどもの日」という名称からか、男女の垣根なくこどもの成長を願う日となっていますよね。
今回は端午の節句についてのお話です。
どのような行事食があるのでしょうか。
端午の節句の行事食といえば、「柏もち」と「ちまき」ですね。
その他には、若竹煮もあります。
それぞれのお料理には意味がありますので、なぜ行事食になったのかを考えてみましょう。
柏もちは、その名のとおり、柏(かしわ)の葉にくるんだおもちですね。
柏の木には、新しい葉が生えるまで古い葉が落ちない性質があります。
その性質から、後継ぎが絶えないようにという願いが込められているのです。
ちまきは、もち米を葉で包んだお料理です。
これは中国の逸話がもとになっており、厄払いの意味で食べるようになったそうです。
また、笹の葉には抗菌作用がありますので、笹の葉で包むことは、今でいう抗菌シートのような役割というわけです。
若竹煮においては、竹の子の成長がはやく、曲がらずにすくすく育つことから、こどもの成長を願って食べるようになりました。
その他、端午の節句の風習としては、「菖蒲(しょうぶ)」を使って、厄払いをします。
さかのぼると、奈良時代からの風習のようです。
「菖蒲」と「勝負」が同音ということから、端午の節句が男の子の行事になったという説もあります。
私自身、菖蒲を使ったことがないのですが、調べてみると、いろいろな使い方があるので驚きました。
基本は菖蒲を軒に飾ります。独特の香りが、厄払いとして使われたようです。
その他の使い方として、菖蒲枕、菖蒲湯、菖蒲の箸置き、菖蒲打ち、菖蒲の葉のくす玉があるそうですよ。
5月4日に菖蒲の葉を枕の下において眠り(菖蒲枕)、5月5日に菖蒲湯に使用するとよいですね。
今年のこどもの日は、本来の意味を考えながら、こどもたちの成長を願いたいと思います。
日本の昔ながらの風習をこれからのこどもたちに伝えていきたいものですね。
参考文献:
「子どもに伝える行事の由来と行事食」 すとうあさえ監修 メイトブックス
「イラスト版行事食・歳事食」 坂本廣子著 合同出版
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