【管理栄養士の健康コラム】Vol.101 疾病シリーズ「認知症」 |
2004年に痴呆症が「認知症」と改称されてから、すでに10年以上経過しました。
「認知症」という病気は、もはや珍しくない病気ですよね。
高齢社会となった今、認知症の有病率は年々増加しています。
認知症にはいくつかのタイプがあります。
① アルツハイマー型認知症
② レビー小体型認知症
③ 脳血管性認知症
です。
その他にもありますが、この3タイプが多く、さらにこの中ではアルツハイマー型認知症が大半を占めます。
タイプによって症状は違いますが、アルツハイマー型認知症の主な症状に記憶障害があります。
つまり「もの忘れ」ですね。
ただ、もの忘れくらい誰だってあることだと思いますよね。
とはいえ、認知症とただの物忘れには大きな違いがありますので、確認してみましょう。
*認知症
・体験のすべてを忘れてしまう
例)ご飯を食べ終わってから、「ご飯まだ?」と質問する
・もの忘れをした自覚がない
例)忘れていること自体、気づかない。
*ただの物忘れ
・体験の一部を忘れる
例)昨日の晩御飯に何を食べたか思い出せない
・もの忘れをした自覚がある
例)買おうと思っていた玉子を買い忘れたと気づく
いかがでしょう。ご自身や周りの方は、大丈夫でしょうか。
その他にも、日時、人、場所がわからなくなったり、性格が変化したりもします。
レビー小体型認知症においては、幻覚(幻視・幻聴)といった症状が特徴です。
脳に障害が起こることで、見えないものが見えたり聞こえたりします。
レビー小体型認知症の方は、幻覚を具体的に説明することができます。
「そこの窓から男の人がのぞいている」
「ご飯の上に蟻がのっている」
というように周りの人に語ったりするので、周りの人はびっくりしますよね。
認知症は脳の病気です。
病気というのは、全てにおいて早期発見が重要です。
認知症を完全に治す方法は今のところありませんが、症状が進むのを遅らせたり、症状を改善する方法はいろいろあります。
早期発見には、周りの家族や地域の人の見守りが必要だと思います。
近くに家族がいらっしゃらないという方も多いですよね。
そういう方は、できるだけ地域の人達とふれ合う場に出向いていただけるとよいですね。
人や地域などのつながりが薄くなってきている時代ではありますが、高齢化、子育て、災害・・・色々な場面において、「助け合い」の精神を忘れてはいけないと考える今日この頃です。
参考文献:
ぜんぶわかる認知症の辞典 河野和彦監修 成美堂出版
第二の認知症増えるレビー小体型認知症の今 小阪憲司著 紀伊國屋書店
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