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管理栄養士の健康コラム

vol231

【管理栄養士の健康コラム】Vol.231

健康に生きるための食育

高齢者の死亡原因の上位に、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)があります。
誤嚥性肺炎とは、食べ物が誤って気管や気管支に入って肺で炎症を起こすもので、
飲み込む力が弱ってしまうと起こりやすくなります。

肺炎の怖さは、若い人にとっても、コロナで認知されるようになったかもしれませんね。
肺炎は命にかかわる問題であり、
誤嚥性肺炎においては、誤嚥しないように、日頃からの注意が必要なのです。

誤嚥性肺炎を予防するには、
①食事中、食後の姿勢に気をつける。
②口腔内の細菌数を減らす。
③唾液を増やす。
などが有効です。
実は、これらの予防策は、子どもの頃からの食習慣が大きく影響しています。

食事中、食後の姿勢においては、
子どもの頃から、座って食事をし、食べ終わってからすぐに寝転がったりしない習慣が身についていれば、問題ありません。
基本的なことではありますが、それが習慣づけできていない場合は気をつけましょう。

口腔内の細菌数を減らすには、歯磨きです。
よく歯をみがく人は、細菌数が少ないです。
食べたら歯を磨く習慣は、身についていますか?
歯磨き習慣は、虫歯予防だけのためではなく、肺炎予防にもつながるということを知っておいてくださいね。

では唾液を増やすにはどうしたらよいのでしょうか。
それは、食べ物をかむ回数を増やしたらよいのです。
子どもの頃、「よくかんで食べなさいね」と言われたことはありませんか?
よくかんで食べることは、とっても大切です。
そして、かむことで唾液が増えると、良いことがいっぱいあります。
虫歯を予防し、風邪も予防でき、胃の消化を助け、もちろん肺炎になるリスクも減ります。

よくかんで食べるには、食物繊維の豊富な野菜がお勧めです。
かみごたえのある野菜といえば、例えば「ごぼう」。
ごぼうは、ささがきにすると薄すぎてかみ切りにくいので、3㎜角の棒状の細切りするとよいですよ。
また、ごぼうだけで飲み込みにくければ、薄切り肉ツナなどと一緒にたべると、口の中でまとまり飲み込みやすくなります。

その他、「ほうれん草」などの青菜は、食べやすいやわらかさに茹でてから食べましょう。
青菜もペラペラですと、かみ切りにくので、茹でた葉をくるくる丸めて棒状に厚くして、小口切りにしてみてくださいね。
少し切り方を変えるだけでも、かみやすくなります。

子どもの頃からの食習慣は、高齢になってこそ影響します。
このことは、子どもたち自身にはわからないことです。
誤嚥性肺炎を防ぐためだけでなく、高齢になってもおいしくごはんを食べるためには、
子どもの頃からの食事の習慣づけは大切であることを、
周りの子どもたちに伝えてあげてくださいね。
日本の未来を担う子供たちが健康に過ごせるよう、今の大人たちがお手伝いできるとよいですね。

参考文献:「噛む」からはじめる「食育の新常識」高齢者&介護ケア編 中野智子著 徳間書店
絵で見てわかる かみやすい飲み込みやすい食事のくふう 山田晴子著 女子栄養大学出版部





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