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【管理栄養士の健康コラム】Vol.268 かくれ食塩にご注意 |
今回は高血圧予防についてのお話です。
高血圧とは、収縮期血圧(上の血圧)、拡張期血圧(下の血圧)のどちらか一方もしくは両方が、基準値を慢性的に超えている状態です。
高血圧かどうかは測定すればわかりますので、健康診断の結果などを確認してみてくださいね。
高血圧だとしても、あまり気にとめていない方はいらっしゃいませんか?
自覚症状がない、たいしたことではないといった理由で、高血圧を放置していたら要注意です。
高血圧を放置すると病気のリスクを高めてしまいます。
高血圧の怖いところは、動脈硬化を引き起こすことです。動脈硬化は、血管壁が傷ついて血管がぼろぼろになってしまう状態です。動脈硬化により心臓の血管がつまると心筋梗塞、脳の血管がつまると脳梗塞です。それだけでなく動脈硬化は全身のあらゆる血管で起こるため、全身に悪影響を及ぼします。
では、血圧を下げる、または高血圧を予防するためにはどうすればよいでしょうか。
適正体重の維持、適度な運動、節酒、禁煙などに取り組みましょう。
食事面では減塩です。今回は減塩でも「かくれ食塩」の減塩対策のお話をしたいと思います。
減塩というと、もちろん食塩、醤油、味噌などの調味料を減らすことです。
調味料を減らして薄味にしたり、減塩調味料を使ったりするといいですよね。
ただ、摂取している食塩は、調味料だけから摂取しているわけではありません。かくれ食塩も摂取しています。
かくれ食塩とは、加工食品などに含まれる食塩のことです。手作りの料理の頻度が少なければ、かくれ食塩摂取が多いでしょう。
穀類に含まれている食塩は、
食パン(6枚切り1枚)→食塩0.7g
うどん(ゆで・240g)→食塩0.7g
中華麺(蒸し・170g)→食塩0.5g
米の値上がりに伴い、パンや麺類の頻度が高くなっていませんか?
主食で白ごはんではなく、パンや麺類を選ぶだけで食塩を摂取してしまっているのです。
肉の加工食品では、ハム、ベーコン、ソーセージなど
魚介の加工食品では、ちくわ、かまぼこなどの練り製品、干物や塩鮭、明太子など
乳製品では、チーズ、バターなど
おかしでは、ポテトチップス、せんべいなど
その他、漬物、梅干し、インスタントラーメン、レトルトカレーなどにも、かくれ食塩が多く含まれています。
かくれ食塩は気づかないうちに摂りすぎてしまっているので危険です。
かくれ食塩を減らすには、加工食品、中食や外食の頻度を減らすのが一番です。
とはいえ、それができない場合もありますよね。
そういう場合は、カリウム摂取です。カリウムには余分なナトリウムを体外に排出する働きがあります。ナトリウムを排出、つまり減塩と同じ効果があるのです。カリウムは野菜や果物に多く含まれています。
加工食品を選ぶ際、1品料理にならないようにしてみましょう。おにぎりだけとか、パスタだけとかはやめておくとよいですね。
定食スタイルをイメージしてください。
例えば、ご飯は炊いておいて、お惣菜を買い足したり、パスタにサラダをつけたりするのもよいですね。
そうすることで野菜摂取量up、カリウム摂取量もupです。
また、加工食品はちょっと手を加えることで減塩もできます。
例えば、味噌味のインスタントラーメンに、電子レンジで加熱した豚ひき肉、もやしをトッピングに、味噌味の汁を減らして、その分調整豆乳をプラスすると、減塩できて、その上、カリウムやたんぱく質などの栄養価がupします。
加工食品を食べる時は、定食スタイルにしてみたり、ちょっと手を加えることで、減塩効果があることを知っておいてくださいね。
かくれ食塩をどう減らせるか考えながら、いろんなアイデアで楽しく高血圧予防をしてみましょう。
加齢とともに血圧が高くなる場合もあります。
今高血圧でない場合も、若いうちから、ぜひとも減塩に取り組んで高血圧を予防してくださいね。
参考文献:めざせ塩分マイナス2g コンビニ・総菜も活用 かんたん減塩めし 料理本田よう一 女子栄養大学出版部
高血圧の基本の食事 苅尾七臣 佐藤敏子監修 Gakken
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